概要

モニュメント・ミュージアム 来待ストーンは、『来待石を「学べる」・「体験できる」博物館』として平成8(1996)年4月にオープンしました。

来待石の歴史・文化・地質(ジオ)を紹介する「ミュージアム」(博物館)、来待石の彫刻体験ができる「来待石工房」、来待釉薬(きまちゆうやく)を使用した陶芸体験ができる「陶芸館」、これらの3施設で構成されています。

また、敷地内には明治中期から昭和30年代まで操業されていた「三才谷(みさいだに)の大岩」と呼ばれる採石場跡(石切場跡)があります。ここでは、「マサカリ」と呼ばれる工具を使用した手掘り採石の痕跡を見学することができます。

来待ストーン ロゴマーク

ロゴマーク

来待石の採石は昭和40(1965)年頃まで、手作業で行われていました。
ロゴマークの左上は、キリヌキマサカリを使用して採石を行う職人を表しています。

採石直後の来待石は青味がかった色をしていますが、来待石中の鉄分が表面に出てきて酸化することで、次第に灰色から赤褐色に変化します。また、焼成するとより赤くなります。ロゴマークの職人以外の部分は、その色の変化とマサカリの跡を表現しています。
採石が手作業で行われていた当時の様子やマサカリの跡は、当館で見ることができます。

来待ストーンのマスコットキャラクター 『パレちゃん』

来待ストーンのキャラクターパレちゃん

昭和55(1980)年、来待石採石場から奇妙な化石が発見されました。それがパレオパラド キシアの下顎でした。

パレオパラドキシア(paleoparadoxia)は束柱目の絶滅した哺乳類で、学名はギリシア語のPalais(古い)十Paradoxos(奇妙)に由来します。

北太平洋東西両岸の新第三期中新世前期~中期(約2,800万年前~1,300万年前)の地層から産出します。束柱目は長鼻目(ゾウの仲間)・海牛目(ジュゴンやマナティーの仲間)と近縁で、柱を束ねたような歯、太い胴体と頑丈な四肢を持ち、海岸付近を泳いでいたと推定されていますが、生態や分類・系統的な位 置はいまだ不明です。

そのパレオパラドキシアをモチーフにしたのが、来待ストーンキャラクター『パレちゃん』です。

来待ストーン モニュメント 

モニュメント

来待石工房前の駐車場に設置されているモニュメントです。
大石(約65トン)と小石(約30トン)で「人」の字形を表しています。製作:彫刻家 倉沢 実 〈制作年:平成7(1995)年〉

ミュージアム(ライトアップ)  

ミュージアム  

夜間はライトアップを実施しています。

※ライトアップの実施は、レストランの夜間営業時のみです。

採石場跡(三才谷の大岩)

石の広場にある、「三才谷の大岩」(みさいだにのおおいわ)と呼ばれている採石場跡地です。

三才谷の大岩

三才谷の大岩

ミュージアムの南側にある採石場跡

南側にある採石場跡

昭和30(1955)年頃まで、手掘りで採石をしていた採石場跡地です。一畑寺(一畑薬師、出雲市小境町)の灯ろうなども、ここから採石された石材が使われています。来待ストーンの開館当時は、竹や雑木で覆われていましたが、平成24(2012)~平成25(2013)年にかけて、公益社団法人島根県緑化推進委員会の「緑の募金」公募事業で、地域の方々、来待石灯ろう協同組合、島根県立松江農林高等学校のご協力を得て整備し、自由に見学ができるようになりました。

 

※令和3(2021)年の台風による倒木により、現在この採石場跡の見学は安全面を考慮して停止としています。