冬季企画展
『 小泉八雲と松江の石 八雲が惹かれた石の趣き 』

小泉八雲と松江の石 ちらし表

小泉八雲と松江の石 ちらし裏

あだん、吾がとこに こげな石があったかね

 『怪談』、『知られぬ日本の面影』などの著作で知られる明治時代の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、明治23(1890)年8月30 日から、翌年の11月15 日まで、「神々の国の首都」と呼んだ松江で暮らしました。

 松江の地で約1年3ヶ月を過ごした八雲は、島根県尋常中学校と島根県尋常師範学校の英語教師として勤める傍ら、各地の社寺や景勝地を巡るなどして、見聞や交友関係を広げていきました。そして、松江を去った後も、様々な事象、事物、伝承などに関心を示し、日本に関する多くの著作を出版しましたが、その中には「石」にまつわる記述も散見されます。

 今回の企画展では、小泉八雲が著作において触れている様々な「石」や、松江で暮らしていた当時に巡った先々の「石造物」「岩石」などを紹介します。

 

2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』で注目されている、小泉八雲をテーマとした企画展です。

 

【主な展示資料】

幕末期の唐獅子図(『中村家資料』)

 ※ 松江石橋町の石工・中村乙右衛門(1817~1889年)ゆかりの掛軸

   小泉八雲が訪れていたと伝えられている田原神社(春日神社、松江市奥谷町)に奉納された中村乙右衛門作の唐獅子(狛犬)を描いたもの、あるいは製作時に参考とした下絵ではないかと考えられています。

 ※ 当館蔵

中村乙右衛門・唐獅子・掛軸中村乙右衛門・唐獅子・掛軸・部分

※ 唐獅子(狛犬)の部分のみを開いて展示

※ 掛軸についての詳細

pdfファイル「松江・田原神社の児連れ獅子像について(来待ストーン研究 第1号所収)」をダウンロードする(PDF:2.5MB)

天狗像

 ※ 来待石製

 ※ 製作:石像彫刻家 坪内正史(つぼうち まさし)氏 

 ※ 寄託資料

天狗像

石狐

 ※ 来待石製

 ※ 製作:石像彫刻家 坪内正史(つぼうちまさし)氏

 ※ 個人蔵

石狐(坪内正史作・来待石製・個人蔵)

嫁ヶ島の石灯籠下絵(『石谷家資料』)

 ※ 小泉八雲と親交があった松江の彫刻家・荒川亀斎(1827~1906年)が意匠(デザイン)を手掛けた石灯籠の下絵で、この石灯籠は明治36(1903)年、松江の石工・石谷為七が製作し、嫁ヶ島に設置されました。

 ※ 当館蔵

嫁ヶ島の石灯籠下絵(石谷家資料)

瑪瑙(めのう)

 ※ 花仙山(かせんざん、松江市玉湯町)の瑪瑙です。小泉八雲の著作中にも「出雲湯町の瑪瑙細工」(『知られざる日本の面影』「伯耆から隠岐へ」)の記述があります。

 ※ 当館蔵

化仙山の瑪瑙

・長黒石(忌部安山岩)

 ※ 長黒石(ながぐろいし)は、忌部地域(松江市忌部町)から西岩坂の青木(松江市八雲町)周辺に分布している安山岩で、松江市周辺の神社の社殿基壇・石段・社名碑、島根県庁前の松江城三丸舊址石碑(松江市殿町)、水木しげるロード(鳥取県境港)の妖怪ブロンズ像の土台や記念碑などに使用されています。

 ※ 当館蔵

長黒石

如泥石 1/3模型

 ※ 如泥石は小林如泥(こばやしじょでい・じょてい、松江藩のお抱え大工)が考案したと伝えられている「宍道湖の波止石」(護岸材)です。

 ※ 来待石製

 ※ 製作・所蔵:来待石灯ろう協同組合

如泥石模型

蜆(しじみ)

 ※ 来待石製

 ※ 製作:石像彫刻家 坪内正史(つぼうちまさし)氏

 ※ 当館蔵

蜆

歌川広重(三代)『横浜名所図会 海岸通り之景』

 ※ 明治初期の横浜港(神奈川県)の様子が描かれた錦絵(浮世絵)

   小泉八雲は明治23(1890)年4月4日、アメリカの雑誌社の派遣員(通信記者)として横浜港に到着しました。

 ※ 個人蔵(伝来地・所蔵地:松江市内)

明治時代の横浜港(錦絵)・個人蔵

西南之役雲石隠戦死者紀念碑絵図(『石谷家資料』)

 ※ 明治21(1888)年、西南戦争で戦死した島根県(出雲・石見・隠岐地方)出身者のために、島根県知事・籠手田安定(こてだやすさだ)の呼びかけで義捐金を募り、松江の石工・石谷為七(いしたにためしち)が製作して、松江城二の丸に建立された紀念碑(記念碑)の絵図です。

 ※ 小泉八雲と年老いた植木職人・金十郎の対話が綴られた「魂について」(『日本瞥見記』所収、※別邦訳題『知られざる日本の面影』など)では、明治10(1877)年に起こった西南戦争に出征して戦没し、熊本県で埋葬されたた金十郎の息子や、松江城二の丸に建立された紀念碑などについて、金十郎が語っています。

 ※ 碑文が刻字された円盤状の石碑は、島根半島で産出する大芦御影(おあしみかげ、閃緑岩)で、台石は松江藩邸にあったと伝えられている自然石です。現在は、興雲閣(松江市殿町、松江城二の丸)の近くに設置されています。

 ※ 当館蔵

絵図2絵図3

絵図1

 ※ 2枚の端が糊付されているため、重ねた状態で展示しています。

展示資料点数:約20点

 

※ 会期中に展示替えを行う場合があります